健康のために運動をしたいけど、体を動かすと股関節に痛みが出てしまう。
少しの時間なら平気だけど、長時間の運動で痛みが出てしまう。
このようなお悩みを抱えている方も多いことでしょう。
なぜ股関節が痛くなってしまうのか、原因はよくわからないですよね。
今回の記事では、運動後に股関節の痛みが出てしまう原因について解説していきます。
【股関節が痛くなる原因】
・運動のフォームが悪い
運動をし始めた初心者に多いことですが、筋力や体力が弱いうちに過剰な運動を行なってしまうと、体を支えきれずフォームが崩れることがあります。
崩れたフォームのまま運動を行なってしまうと、関節に負担がかかり、痛みが生じる原因になります。
少しの痛みだからと放っておくと、大腿骨(ももの骨)の疲労骨折を起こすことも考えられます。特に、高齢の方でマラソンを好まれている方に生じやすい傾向があります。痛みを放置してしまうと、骨がずれて手術に至ることもあるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診し、痛みの原因を明らかにする必要があります。
・関節の異常
股関節の痛みの原因として、関節に異常がある場合もあります。関節の変形は、変形性股関節症と呼ばれています。変形性股関節症とは、股関節を構成している骨盤のくぼみや、足の付け根の骨が変形してしまい、痛みが出てしまったり、骨の動きに異常がみられたりする病気です。最初は動き始めや運動後だけの痛みや違和感だけですが、症状が進行してくると、足の爪を切ることが困難になったり、歩くことが困難になったりします。最終的には、歩くことが困難になることも考えられます。女性に多い病気ではありますが、男性にも見られることがある病気です。
・体の片側に負担がかかっている
体の一部が固かったり、片側の筋力が弱かったりすることにより、体の一部に負担がかかりやすくなります。股関節に負担がかかる場合、痛みが出ていない側の足が固かったり、腰回りの筋肉や、背骨の動きが固かったりすることが考えられます。
体の両側を均等に使っているつもりでも、利き手や環境、競技特性などによって、体に左右差は出てしまうものです。自分ではなかなか意識ができない部分ではありますが、厳密に診ると、多くの方に左右差が見られます。
【痛みに対する対処法】
・患部を安静に
股関節に痛みが出てしまったら、まずは患部を安静にします。
立ち上がりや歩くことで股関節に負担がかかりますので、階段の上り下りやしゃがみ込み姿勢からの立ち上がりなどは、頻回に行わないようにしましょう。
もしも患部を安静にしているにもかかわらず、痛みが落ち着かない場合は、緊急性がある症状だと判断できます。早めに医療機関を受診し、痛みの原因を明らかにしましょう。
・ストレッチ
痛みが落ち着いてきたら、できる範囲でストレッチをしていきます。
股関節周りの筋肉や股関節自体が硬くなっていることが考えられるので、しっかりとストレッチをするようにしましょう。
股関節に負担がかかる人の場合は、腰回りや上半身の硬さがあることが考えられます。足だけでなく、腰回りや肩甲骨周りまで柔らかくするように、全身的にストレッチを行なっていく必要があります。
・運動の負荷量を落としてみる
徐々に運動を開始できるようになってきたら、痛みが出てしまった当時の運動量よりも、少なめの運動量に調節します。
筋力や持久力が低く、股関節に負担がかかっていることが考えられるため、一度負荷を落として痛みの様子を見ましょう。そして、徐々に負荷量を上げていくと、ちょうど良い負荷量が見つかります。
・フォームの修正
長期間、運動を続けるためには、体に負担をかけない正しいフォームの習得が必要です。自分ではなかなか意識することが難しいですが、少しずつ理想的なフォームに修正をしていきましょう。
フォームを修正する中で、体の硬さや筋力の弱さなどに気づくことが増えてきます。このような気づきを得られたら、フォームをもっとよくできるチャンスです。自分の弱点を克服しつつ、良いフォームを目指していきましょう。
【まとめ】
今回の記事では、運動後に出る股関節の痛みについて解説しました。
股関節に痛みが出る原因は、さまざまなものがあります。関節の変形や疲労骨折、体の硬さやフォームの崩れなど、多くの原因をお分かりいただけたと思います。
痛みに対しては、まずは安静にしていただき、痛みが取れない場合は早めに医療機関を受診し、痛みの原因を明らかにして対処していきましょう。